ヒステリーと呼ばれていた解離性障害とは

2020/02/11

私たちは普段の生活で、今、自分が何をしようとしているか認識しながら行動しています。
また、自分が今まで何をしてきたか記憶しています。もちろん、自分は自分であると認識して私自身を理解しています。

ところが、何かしらの原因でこれらを一つにまとめる能力が一時的に失われて、意識や記憶さらに感覚が自分自身から離れてしまうことを「解離」といいます。

解離は、戦争や災害、虐待やレイプなどの大きな苦しみ、辛さに直面した時に解決することができないほど深く心的外傷から自分自身を守るためにおきる、いわば防御反応とも言えます。
解離によって日常生活に支障をきたす場合に「解離性障害」と診断されます。

解離性障害は以前は「ヒステリー」と呼ばれていました。ギリシャ語で、子宮という意味の「ヒステリア」に由来するもので、もともと女性特有の病気と捉えられていました。
しかし、男性にもヒステリーが起きるために、現在では「解離性障害」と病名が変更されたのです。

解離性障害は症状によって様々なタイプに分類されます。
解離性遁走(とんそう)
強いストレスを受け、その状況から逃れるために突然失踪して放浪します。多くは数時間から数日で意識は戻りますが、記憶の一部分や全部を思い出せないこともあります。

解離性健忘(けんぼう)
心的外傷にかかわる過去の一定期間、あるいは生まれてから現在までを忘れてしまう。
ただし、一般常識や生活習慣は覚えていて、新しいことをインプットする能力も保たれています。
解離性同一性障害
一人の人間に二つ以上の人格が存在して交互に入れ替わります。入れ替わるタイミングは、睡眠であったり、頭痛や意識消失がよく見られます。また、別の人格の時の出来事は覚えていません。以前は多重人格障害といわれていました。
離人性障害(りじんせい)
自分の意識や体の存在感が感じられず、周囲の世界も現実感が乏しくなり、現実であるという感覚が混乱してしまい強い不安感を訴えることが多く、自殺につながることもあります。

解離性遁走や解離性健忘は自然治癒することも多いですが、自然治癒を期待して辛い症状を放置することはよくありません。
誰にも話せず一人で我慢するのは辛いですよね。その辛さを誰かに打ち明けることは勇気がいるかも知れません。
でも、勇気を出して踏み出した一歩は、あなたを前に動かす大きな一歩であることは間違いありません。